―看板建築のある町と茅葺民家が集まる風土記の丘―

石岡駅内に飾ってあるある祭りに使用される獅子頭・メインストリート中通りに並ぶ看板建築
茨城県に奈良時代に常陸国が誕生し、石岡の地に、国府が置かれ、続いて国分寺・国分尼寺が建てられました。以後、石岡は茨城県の最古の都市として繁栄してきました。江戸時代に水戸藩が置かれるまでは石岡が常陸国の中心でした。
そこで、ここには数多くの史跡や文化財がある中で、今回のツアーでは、1日目は、古い看板建築で国の登録有形文化財が数多くある町中の散策と、茅葺民家が集まる風土記の丘の見学を中心に街歩きをしました。
さらに一泊組は、石岡駅近くのホテルに泊まり、翌2日目は、「花と緑の楽園」といわれる広大な敷地の「茨城県フラワーパーク」で花を愛でた後、「常陸国総社宮例大祭」(関東三大まつりの一つ:石岡のおまつり)を楽しみました。
まちなかの登録文化財 看板建築めぐり
看板建築とは、関東大震災後に中小規模クラスの商店によって数多く建設された、それまでの伝統的な町屋に代わる、洋風の外観を持った店舗併用の都市型住居です。前面を装飾をほどこし,銅版を張ったものなど、見ごたえのある建物です。
石岡駅を中心に広がる市の中心街には、他の都市には見られないほど数多くの登録文化財としての看板建築が点在しています。

各看板建築の前に立つ登録文化財を証する碑
午前中は、地元の女性ボランティアガイドさんの案内で、石岡駅から「まちなかの登録文化財」や「歴史散策コース案内」などの散策マップに従って、のんびり歩きながら案内してもらいました。

丁子屋(上)の内部
今も現役の商店として使われている登録文化財である看板建築が、数多く立ち並ぶ街のたたずまいに、「すてき、こんな街はじめて!」などと参加メンバーは目を見張って、街歩きを楽しんでいました。
石岡のおまつり 常陸国総社宮例大祭
茨城県を代表するこの祭りは、毎年9月15日に例大祭が行われ,神幸神事については,敬老の日を最終日とする,土,日,月曜日に行われる。菊紋の神輿に遷された御神体を獅子,山車が供奉し,年番(当番)町内に設けられた仮宮まで渡御する。神輿は3日間当地に鎮座し,多くの参拝者が訪れる。1日目は, 本社から仮宮までの神幸祭,2日目の大祭を経て, 3日目は,仮宮から本社までを還幸祭という。(以上、市のブログより)

常陸国総社宮の茅葺きの門

境内にある大和武尊が掛けたといわれる石
15日に大祭の神事の儀式が総社宮本殿で厳かに執り行われますが、めったに見られないその儀式を、運よく今回のツアーでは、本殿の外で拝観することができました。

儀式を執り行う神官

獅子頭が本殿に入る直前

総社宮近くにある常陸国の国府跡碑

国府跡地に建つふるさと歴史館

総社宮近くに建つ府中松平氏の石岡陣屋表門
常陸風土記の丘
そのあと、送迎バスに乗って郊外にある、「常陸風土記の丘」へ。
そこには江戸時代からの大きな茅葺の曲屋(まがりや)が待っていました。そこはお休みどころ兼食事どころになっていて、昼食は、ここでおいしい蕎麦料理をいただきました。

お休みどころ兼食事どころになっている曲屋

メンバーの食事前の様子
食後は、ガイドさんの案内で風土記の丘の見学です。
縄文~弥生時代の竪穴式住居から、江戸時代の曲屋・直屋(すごや)まで、さらに連房式といわれる、他では見られない長屋造りの大きな工房や、その管理役人の官舎など、見ごたえのある建物群が並んでいました。
参加メンバーの皆さんは、ガイドさんの説明に、おおきくうなずいたり、質問をしたり、熱心に見学しました。

竪穴式住居群

連房式の竪穴工房兼住居

工房の内部
ここで面白かったのは、大祭のシンボル的な獅子頭の日本一大きいといわれる像が高台に展望台として鎮座していることでした。(台座からの高さ14m)
大きな口の中が展望所になっていて、ここから風土記の丘が一望できました。

日本一といわれる獅子頭展望台
参加したメンバーの皆さんの感想は、「石岡が、こんなに豊かな歴史と文化に包まれたところとは予想外でした。、感激しました。首都圏の近くにありながら、全く知りませんでした。」といううものでした。