2009,06,19, Friday
幕末の歴史をたどりながら昔ながらの世田谷の風景に出会う チンチン電車の風情を少し残す東急世田谷線は約5キロ、10駅を17分で結んでいる。小さな旅は宮の坂駅からスタート。 ![]() 豪徳寺は名物の招きねこで有名だが、彦根藩主井伊家の菩提寺で井伊直弼の墓がある。井伊大老は独断で将軍に慶福(家茂)に決めて日米通商条約に調印した。はげしい非難を抑えるために安政の大獄(1859年)により、吉田松陰らを刑死させた。翌年、桜田門外の変で自身も殺害された。さほど遠くない松陰神社の墓所に吉田松陰は眠る。相対立する2人が亡くなって近くに眠る歴史の不思議さを感じる街だ。 烏山緑道では夏には緑陰を求めながら進むことができるが、世田谷駅付近では東京の冬の風物詩「世田谷ボロ市」を楽しむことができる。 ![]() 毎年12月と1月の15、16日に上町駅の世田谷代官屋敷前のボロ市通りを中心に開かれる。約400年前、小田原北条氏に世田谷城主吉良氏が願い出た楽市が起源らしい。明治になり野良着の繕いやわらじを直すボロが人気になり、その名が付いたと言う。今はリサイルク着物、衣類、骨董品など7百店以上の露店が並ぶ光景はなかなかのものだ。寒空に暖を求めておでんやとん汁を取りながらおびただしい人ごみを歩き回るが、一日に20万人の人出になるようだ。 それにしても世田谷代官屋敷ではお代官様の力をまじまじと感じさせる見事な建物を見ることができる。 豪徳寺おすすめコース:約10,000歩 ■スタート:宮の坂駅(東急世田谷線) ↓5分 万葉の小径(サクラ) 世田谷八幡宮 ↓10分 豪徳寺 ↓20分 烏山川緑道(サクラ) 佐藤記念館 ↓20分 松陰神社 ↓3分 【お食事におすすめ】 うなぎ一二三 ↓20分 世田谷代官屋敷 ↓5分 プラチノ上町本店(ケーキ) 【お茶におすすめ】 世田谷の郷シベール ↓1分 ■ゴール:上町駅(東急世田谷) ![]() 【クリックで地図は大きくなります】 *時間は目安です。 *施設によって休日や開館時間は異なります。リンク先をご覧ください。 問い合わせ先:世田谷区産業振興課03-3411-6652 コース取材は2009年6月19日時点です。施設の変更等場合はご容赦ください。
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2009,03,26, Thursday
武蔵野の面影に包まれる東京大仏のある街 日本橋から信濃(長野県)を通り京都を結ぶ中山道。最初の宿場は板橋宿だった。板橋の由来は「板の橋」がかけられて旅人の難儀を救っていたのが伝えられたらしい。現在は都内屈指の団地があるにもかかわらず、のどかな風情が所々に残されている。 スタートの新高島平駅前には、ピーク時には約3万人が暮らして、現在でも約2万人が住む高層住宅の高島平団地が広がる。江戸時代、近くで洋式砲術の演習をした高島秋帆(しゅうはん)の名にち地名だ。隣接した細長い都立赤塚公園はニリンソウの自生地として知られている。 板橋区立郷土資料館の高台には、15世紀後半に太田道灌とともに関東の雄・豊島氏を滅ぼした千葉自胤(よりたね)の赤塚城址がある。 ![]() 緑の樹木の多い乗連寺。青銅製の露座の阿弥陀如来大仏は「東京大仏」と呼ばれて千葉氏一族や戦死者を供養するために建立された。墓地には植村直己のお墓がある。植村直己の心には詩があると言った草野心平の追悼詩「地球にはもう彼はいないけれど・・・私たちの中に生き続ける」と記した。 武蔵野台地のゆるやかな起伏をとどめる崖線に沿って都内最大のニリンソウの自生地がある赤塚植物園。四季の花を楽しみ成増駅に向かう途中にはヒイラギの白い花が生け垣になっている大きな屋敷などがあり、自然を楽しめるコースでもある。 ![]() 板橋おすすめコース13,000歩 ■スタート:新高島平駅(都営 三田線) ↓25分(ニリンソウ/4月) ↓都立赤塚公園 板橋区立郷土資料館 ↓3分 板橋区立美術館 ↓5分 【お昼におすすめ】 萬吉禎 ↓3分 松月院 ↓5分 乗蓮寺(東京大仏) ↓5分 ↓乗蓮寺売店(絵馬) 赤塚植物園 ↓20分 ↓赤塚植物園売店(絵はがき) 【お茶におすすめ】 穂の香 ↓1分 ■ゴール:成増駅(東武東上線/有楽町線) ![]() 【クリックで地図は大きくなります】 *時間は目安です。 *施設によって休日や開館時間は異なります。リンク先をご覧ください。 問い合わせ先: 板橋区役所くらしと観光課 03-3579-2251 コース取材は2009年3月21日時点です。施設の変更等場合はご容赦ください。
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2008,11,14, Friday
石畳のある料亭街で芸者さんの三味線の音が流れる街 神楽坂といって「芸者ワルツ」のヒット曲で知られる神楽坂はん子の名を思い出す人もいるだろう。はん子は神楽坂で芸者をしている時に古賀政男に見出されたという。 今、神楽坂には料亭は10軒余で40人ほどの芸者さんがいる。神楽坂の石畳の小路に入ると、黒塀の料亭の前を通り過ぎることができる。 粋な料亭の中で、今は昼に利用できる料亭も増えた。女性客もお座敷遊びができる時代になり「年増でもみんなお姐さんというのよ」と快活なお姐さんにうながされて生まれて初めて野球拳をしたこともある。三味の音と舞い、美味な料理に堪能した。(料亭組合03・3260・3291)。 そんな非日常の異空間が路地に造られているかと思えば東京理科大学の学生を中心として、学生が闊歩する庶民的な街でもある。また、気の利いた専門店が神楽坂通りに並び、迷路のような路地が懐かしさをもたらしながら、買い物客や食事客を魅了する人気の街の1つになっている。 ![]() 神楽坂おすすめコース:約13,000歩 ■スタート:神楽坂駅(JR中央線、都営地下鉄:大江戸線、東京メトロ:東西線、南北線、有楽町線) ↓15分 ↓紀の善(抹茶ババロア、粟ぜんざい) ↓神楽坂五十番(肉まん) 善国寺 ↓1分 【お昼におすすめ】 鳥茶屋本店 ↓5分 筑土八幡神社 ↓25分 ↓白銀公園(サクラ/3月) ↓赤城神社(サクラ/3月) 光照寺 ↓10分 宮城道夫記念館 ↓10分 【お茶におすすめ】 アグネスホテル東京ティーラウンジ ↓5分 東京理科大学近代科学資料館 ↓5分 ■ゴール:飯田橋駅 ![]() 【クリックで地図は大きくなります】 *時間は目安です。 *施設によって休日や開館時間は異なります。リンク先をご覧ください。 問い合わせ先: 新宿区観光協会03・3209・1111 コース取材は2008年11月13日時点です。施設の変更等場合はご容赦ください。
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2008,07,01, Tuesday
「昭和の竜宮城」目黒雅叙園と森林浴を楽しむ街 目黒雅叙園へ行く途中に行人坂がある。勾配が急だ。江戸時代に出羽三山の一つ、湯殿山の修験僧が坂の途中に大日如来堂を建てた。行人と呼ばれる彼らの本山になり、行人坂の名がついた。江戸三大火事の行人坂火事は大勢の犠牲者を出した。供養のために大円寺に519体の五百羅漢がある。乳呑み児を抱く母親像もある。とろけ地蔵は顔、手足がはっきりしないでとけたような姿。品川沖の漁師の網から発見され、波で侵食されたからだという。悩み事を解決してくれるご利益があるそうだ。 ![]() 目黒雅叙園は、目黒散歩に欠かせない見どころである。一歩なかに入れば、美術館のような華やかな造りに驚かされる。螺鈿細工をほどこしたエレベーターや彩色木彫板の豪華な花鳥画や美人画の回廊を通れば、たちまち異空間へと誘われる。雅叙園は空間そのものが芸術作品で、贅沢な気分にひたれる。時間と予算が許せば期間限定で国の登録文化財に指定されている旧雅叙園の建物の見学と食事がセットになっている見学会がおすすめ。 五百羅漢寺は、江戸時代には本所にあり“本所の羅漢さん”と親しまれていた。移転後はモダンな境内になった。大きくて多くの羅漢さんに圧倒される。 広島で公演中に原爆の犠牲になった移動劇団「桜隊」も供養している。終戦近い1945年に、軍の要請で移動演劇隊が組織されて地方公演の合間に広島で被爆した原爆殉難碑も見逃さないように。 今回は目黒不動尊の裏手から本堂に進む。途中の墓地にはサツマイモを目黒で試作の成功した青木昆陽の墓があり、「甘藷先生墓」とある。目黒不動尊は江戸時代には幕府の庇護も厚かったという名刹。前不動堂は江戸の建物。独鈷(どっこ)の滝は信者が滝に打たれたという。 林試の森公園は目黒区と品川区にまたがった広大な公園。緑陰を探して進もう。コース最後では東京を代表する商店街の1つ武蔵小山パルムにも立ち寄ってみたい。 ![]() 目黒おすすめコース:約16,000歩 ■スタート:目黒駅(JR、東急目黒線、都営三田線・南北線) ↓7分 杉野学園衣裳博物館 ↓7分 目黒雅叙園 ↓1分 【お昼のおすすめ】 目黒雅叙園「旬遊紀」 ↓15分 五百羅漢寺 ↓10分 目黒不動尊 ↓15分 林試の森公園 ↓15分 【お茶におすすめ】 団(武蔵小山パルム) ↓3分 ■ゴール:武蔵小山駅(東急目黒線) ![]() 【クリックで地図は大きくなります】 *時間は目安です。 *施設によって休日や開館時間は異なります。リンク先をご覧ください。 問い合わせ先目*区役所社会教育課 TEL:03-3715-1111 コース取材は2008年6月17日時点です。施設の変更等場合はご容赦ください。
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2007,11,29, Thursday
東京大学キャンパスでの発見と戦前の町並み 平成19年に創立130周年を迎えた東京大学。歴史を感じさせる近代建築の宝庫だ。スタートの広報センターは旧救急患者受付所。旧外来患者診療棟の入口上部のテラコッタ製レリーフは「医学の診断、治療、予防」を表す。東大は農学部を除く本郷キャンパスのほとんどが旧加賀藩百万石の上屋敷跡だ。グランド辺りには百以上の部屋のある屋敷だったらしい。三四郎池や赤門に名残を止める。 ![]() 理学部化学旧館は関東大震災前に建設された美しい建物だ。大正14年築の大講堂は安田善次郎の寄付により「安田講堂」とよばれる。60年代の東大闘争で警官が出動した。法学部にはゴシック様式の見事なアーケードがある。樹齢百年を数えるイチョウ並木を進むと、明治45年に造られた正門に出る。130周年記念行事として本郷キャンパス内でも20年3月7日まで前田家の上屋敷当時の赤門の「御門番所」(平日10時~16時)と明治の前田家邸宅を戦後、再建して迎賓館にした「懐徳館」庭園(平日10時~15時)を公開中。 一歩外に出ると下宿屋や旅館の木造家屋が残る文学散歩コースでもある。菊坂には樋口一葉が、炭団坂には坪内逍遥などあまたの文士が暮らした界隈だ。坂道が多く、変化に富んだ本郷台地の地形を文士が好んだのだろうか。 ![]() 本郷おすすめコース:約14,000歩 ■スタート:本郷三丁目駅 (東京メトロ/丸の内線、都営地下鉄/大江戸線) ↓ 7分 麟祥院(りんしょういん:春日局のお墓、フヨウ/8月、ハギ/9月、サザンカ/12月) ↓ 5分 東京大学(イチョウ/11月、ケヤキ、クスノキ) 【お茶におすすめ】 カポ・ペリカーノ(東京大学医学部研究棟13F) ↓ 2分 東京大学総合研究博物館(特別展のときのみ開館 問合せ/03-5841-2803) ↓ 1分 法真寺(境内:樋口一葉会館(要予約)、サクラ/3月) ↓ 扇屋(赤門もち) ↓ 7分 【昼食におすすめ】 ルヴェ ソン ヴェール本郷(ホテルフォーレスト本郷) ↓ ↓ 鳳明館森川別館(歴史ある閑静な本格和風旅館) ↓ 本郷館(1905年建築の下宿屋 関東大震災や東京大空襲の中を生き残った木造建築物) ↓ 太栄館(旅館:石川啄木止宿) ↓ 徳田秋声旧宅 ↓ 樋口一葉旧宅跡 ↓ 宮澤賢治旧宅跡 ↓ 坪内逍遥旧宅跡 ↓ 25分 文京ふるさと歴史館 ↓ 8分 ■ゴール:本郷三丁目駅 (東京メトロ/丸の内線、都営地下鉄/大江戸線) ![]() 【クリックで地図は大きくなります】 *時間は目安です。 *施設によって休日や開館時間は異なります。リンク先をご覧ください。 *問合せ先 文京区観光協会 TEL:03-3812-3321 コース取材は2007年11月18日時点です。施設の変更等場合はご容赦ください。
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